2011年2月アーカイブ

相続人の確定 5

相続人の調査方法

遺産分割の手続きを行うためには、すべての相続人を参加させる必要があります。そのため、すべての法定相続人の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍などを調べなければなりません。また、相続人の住所も住民票などで確認します。

さらに、誰が相続人なのかを確定するため、亡くなった方の戸籍謄本または除籍謄本から、亡くなった方の出生の記載がある除籍謄本や改製原戸籍まで、遡って調べなければなりません。

相続人の確定 4

不在者と失踪者

民法上の不在者とは、簡単にいうと、どこにいるのかわからない人のことです。ある人が亡くなり、遺産分割をしようと思っても、相続人の中に行方不明の人がいると、話し合いもできません。不在者ご自身が、自分の財産の管理人を置いている場合は別ですが、原則として、不在者以外の相続人が家庭裁判所に対して不在者の財産管理人を選任するよう申し立てなければなりません。この場合、選ばれた財産管理人と話し合い、遺産分割について決まったことは家庭裁判所の許可をもらってから実行します。

さらに、不在者の生死が7年間以上わからないなどの場合は、その他の相続人は失踪宣告の申し立てという方法もあります。家庭裁判所が認めれば、その人は失踪者として亡くなったものとされます。この失踪者に相続人がいればその人が、いなければ家庭裁判所が選んだ相続財産管理人が遺産分割の話し合いに参加することになります。

相続人の確定 3

胎児と未成年者

民法では、生まれていない人の権利を認めないのが原則ですが、例外もあります。そのひとつが相続です。相続人となるには、相続が開始されたときに生存していなければなりませんが、胎児については、すでに生まれたものとみなされます。ただし、残念ながら死産だった場合には、初めから相続人ではなかったものとされます。

また、未成年者でも相続人となります。

胎児や未成年者の場合、親権者が法定代理人として遺産分割に参加することになります。ただし、一人の親権者は、子供や胎児が複数いたとしても、そのうちの一人の子供のためにしか法定代理人になることができません。その他の子供のためには、家庭裁判所に特別代理人を選んでもらう必要があります。

さらに、親権者自身も相続人である場合は、子供と利害が対立する構造になります。したがって、この場合も子供のために特別代理人を選んでもらわなければなりません。

相続人の確定 2

代襲相続

相続においては、人が亡くなって相続を受ける人を「相続人」といいます。また、亡くなった人のことを「被相続人」といいます。

もし、被相続人が亡くなる前に、子供や兄弟姉妹が死亡・相続欠格・相続廃除によって相続権を失っていた場合は、相続権を失った人の直系卑属(被相続人の孫やおい・めいにあたる人)が代わりに相続します。これが「代襲相続」です。

代襲相続の制度は、直系にあたる子供たちの利益や生活を保障し、相続人どうしの公平性を維持するためにあります。したがって、代襲相続を受けた人は、相続権を失った人が本来有していた相続順位を持つことになります。

なお、被相続人の子供に代襲原因が発生すれば、被相続人の孫が代襲相続人となり、その孫にも代襲原因が発生すれば、被相続人のひ孫が代襲相続人となります。以降、理論上は直系である限り代襲相続が続きます。

しかし、被相続人の兄弟姉妹に代襲相続が認められるのは、兄弟姉妹の子供までです。兄弟姉妹の孫には代襲相続は認められません。

相続人の確定 1

法定相続人と相続順位の原則

亡くなった方の配偶者(夫または妻)は、必ず相続人となります。

上記に加えて・・・

1.亡くなった方の子供

2.亡くなった方の直系尊属(父母、祖父母など)

3.亡くなった方の兄弟姉妹

・・・という順序で相続人が決まります。上位の者が存在すれば下位の者は相続人にはなりません。例えば、亡くなった方に子供がいれば、原則としてお父さんやお母さんは相続人にはならないということになります。

なお、ここでいう「子供」は、実子か養子かということも、嫡出子か非嫡出子かということも問いません。相続割合が変わることはありますが、相続人であることには変わりありません。

遺産分割とは 3

遺産分割が行われると、それぞれの相続人の権利や義務は、相続が開始されたときに遡って亡くなった人から直接受け継がれたものとして扱われます。ただし、もし遺産分割の手続きの前に相続人の一人が自分の持分を第三者に譲った場合、その後行われた遺産分割によってその第三者の権利が消えてしまうことになります。そこで、民法では、遺産分割の効果は相続が開始されたときまで遡るものの、それによって第三者の権利を害することはできない規定しています。

また、遺産分割の結果、ある相続人が取得した物や権利に瑕疵があった場合は、相続人の間で不公平が生まれるため、すべての相続人は他の相続人に対して、その相続分に応じた担保責任を負います。

遺産分割とは 2

遺産分割は、大きく分けて二つの方法があります。

1.遺言がある場合

  亡くなった方が遺言を残されていた場合、原則としてその遺言に記された方法で遺産

  分割を行います。これを指定分割といいます。現物分割(現実にそこにある財産を

  そのまま分けること)、換価分割(不動産などをお金に換えて分けること)、代償分割

  (例えば土地を長男にあげる代わりに、長男は次男にお金をあげること)についても遺

  言に書くことができます。さらに、特定の相続人に相続させるという記載も指定分割と

  なります。

 

2.遺言がない場合

  遺言がない場合は、相続人どうしで話し合うことになります。この方法は、協議分

 割といい、話し合いがまとまると、遺産分割協議書が作成されます。

  もし、話し合いがまとまらないときは、家庭裁判所に調停の申し立てをすることができ

  ます。これを調停分割といい、中立的な調停官や調停委員が間に入って、話し合う

  ものです。裁判所が介在しても、最終的に決めるのは当事者となります。ただし、合意

  した場合に作成される調停調書には、確定審判と同じ効力があります。

  さらに、調停でも合意ができなければ、裁判所に決めてもらうことになります。これを

  審判分割といい、家庭裁判所がその職権で事実や証拠を調べて分割を決めます。

遺産分割とは 1

人が亡くなると、その時点から相続が開始され、亡くなった方の財産は相続人に移ります。もし、相続人が複数であれば、全員の共有となります。この共有となっている状態を解消し、各相続人に分配して、それぞれの単独所有にする手続きが「遺産分割」です。

亡くなった方の遺言がない場合は、必ず必要な手続きです。また、実務上は遺言があっても相続人の遺留分を侵害している場合も、「遺産分割」の手続きが必要となります。