2011年5月アーカイブ

相続税の物納

相続税は、原則として金銭で納付しなければなりません。しかし、不動産を相続した場合などは、納付期限までにお金に換えて納めることが難しいこともありますので、物納という制度が認められています。

物納できるのは、課税価格の計算対象財産のうち日本国内にあるもので・・・

1 国債、地方債

2 不動産、船舶

3 社債、株式、証券投資信託、貸付信託

4 動産

・・・です。

ただし、物納申請の時点で、納税義務者が1や2の財産を持っていないか、適当な価額がない場合にのみ、3や4の財産を物納することができるという原則があります。(特別の事情がある場合は例外として、3や4の財産を優先的に物納することもできます)

また、上記に該当しても、物納が認められない財産もありますのでご注意ください。

物納の許可を受けるためには、相続税の納付期限までに、許可申請書を納税地の税務署に提出しなければなりません。税務署が調査後、許可または却下の通知をします。

許可された場合は、物納財産の引渡しや登記など、第三者にも対抗できる状態にした時点で、相続税が納付されたものとされます。

 

 

※相続税の計算においては様々な特例条項があります。申告は、税理士等の専門家に個別の事情を相談しながら行いましょう。

相続税の延納

納めるべき相続税が多額で、一括して納めることができない場合、以下の要件を満たせば延納が認められます。

1.納付すべき相続税額が10万円を超えている

2.期限までに金銭で納付することが困難

3.原則として、延納する額に相当する担保を提供する

これらの要件のもと、税務署長の許可を得れば、5年以内で延納することができます。

 

 

※相続税の計算においては様々な特例条項があります。申告は、税理士等の専門家に個別の事情を相談しながら行いましょう。

相続税の納付

相続税は「申告」だけでなく、「納付」も申告期限までに行わなければなりません。もし、期限を過ぎて申告したり、修正申告をした場合は、申告書の提出日までに納付しなければなりません。

納付が遅れると、原則として年14.6%の延滞金がかかります。

 

 

※相続税の計算においては様々な特例条項があります。申告は、税理士等の専門家に個別の事情を相談しながら行いましょう。

相続税の申告手続き

もし、課税価格の合計額が基礎控除額を超えていたら、原則として相続税の申告をしなければなりません。

相続税の申告書は、相続開始を知った日(通常は被相続人が亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内に、被相続人がなくなった時点の住所地の税務署に提出しなければなりません。

申告書には、亡くなった人のすべての相続人がわかる戸籍謄本や、住民票、遺産分割協議書や遺言書、預貯金の残高証明書、不動産の登記簿謄本や測量図、公図、固定資産評価証明書などが必要になります。

 

※相続税の計算においては様々な特例条項があります。申告は、税理士等の専門家に個別の事情を相談しながら行いましょう。

 

相続税額の控除

「その3」までにおいて計算された相続税の税額から、さらに以下の控除を行って、実際の相続税の税額が算出されることになります。

1 相続開始前3年以内に贈与があった場合、その贈与財産の価額は相続税の

  「課税価格」に加算しなければなりませんが、贈与のときに贈与税を課されていれば、

  その贈与税額分を「課税価格」から控除することができます。

2 相続人が配偶者の場合、原則として、取得した財産の価額が法定相続分以下また

  は1億6千万円以下なら相続税はかかりません。

3 相続人が未成年者の場合、20歳になるまでは、相続税の額から1年あたり6万円

  で計算した金額が控除されます。また、相続人が障がい者の場合、85歳になるま

  では、相続税の額から1年あたり6万円で計算した金額が控除されます。特別障がい

  者の場合は、1年あたり12万円で計算されます。

4 今回の相続開始前10年以内に被相続人が相続や遺贈などによって

  財産を取得し、相続税も課されていた場合は、今回の相続に関する相続人には、相

  続税額から一定額の控除があります。

5 相続や遺贈などによって、外国にある財産を取得し、外国で相続税にあたる

  課を受けた人には、日本においては相続税額から一定額の控除があります。

 

※相続税の計算においては様々な特例条項があります。申告は、税理士等の専門家に個別の事情を相談しながら行いましょう。

それぞれの相続人の税額 1

まず、仮に法定相続割合で財産を取得した場合の、仮の税額を計算します。

 

( 課税価格 ― 基礎控除額 ) × 法定相続分 × 税率

 

そして、仮の各相続人の税額をすべて合計したものが、相続税の総額となりますので、これを実際に取得した財産の割合で按分しなおします。

相続税率は、基礎控除後の課税価格に応じて、10%から50%です。ただし、納税義務者が亡くなった方の子ども、父母、配偶者のいずれでもないときは、計算された税額の20%増しとなります。

 

 

※相続税の計算においては様々な特例条項があります。申告は、税理士等の専門家に個別の事情を相談しながら行いましょう。

相続税の基礎控除

「その1」で算出した「課税価格」から、以下の「基礎控除」を差し引いたものを「課税遺産総額」といいます。

 

5000万円 + 1000万円 × 法定相続人の数

 

なお、上記の「法定相続人の数」には、相続放棄をした者も含まれます。また、「法定相続人の数」に算入できる養子の数には制限があります。

 

 

※相続税の計算においては様々な特例条項があります。申告は、税理士等の専門家に個別の事情を相談しながら行いましょう。

相続税の申告では、様々な計算を経なければなりません。ここでは、その概要だけをお知らせします。

 

課税価格の計算

まず、下記の方法で「課税価格」というものを算出します。

「課税価格」といっても、この計算で出た数字が相続税となるわけではありません。相続税を計算するための基礎となる数字を出しているだけですので、ご注意ください。

 

  相続財産 + みなし相続財産 ― 相続債務 ― 葬式費用

  + 相続開始前3年以内に贈与を受けた財産 = 課税価格

 

※相続税の計算においては様々な特例条項があります。申告は、税理士等の専門家に個別の事情を相談しながら行いましょう。

相続税では、居住用の宅地、事業用の宅地、特定計画山林について、一定の条件を満たせば、その資産の評価額を減額する特例があります。

また、農地や上場されていない株式などについて、一定の条件を満たせば、納税が猶予されたり、免除されたりすることもあります。

 

 

※相続税の計算においては様々な特例条項があります。申告は、税理士等の専門家に個別の事情を相談しながら行いましょう。

相続・遺贈・死因贈与によって取得した財産の価額は、原則としてその財産の取得時の時価によります。ここでいう時価とは、各財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立する価額です。

しかし、実際にはその価額の判定は難しいことから、国税庁が財産の種類や性質に応じた評価方法を定めており、「財産評価基本通達」として公表しています。

 

※相続税の計算においては様々な特例条項があります。申告は、税理士等の専門家に個別の事情を相談しながら行いましょう。

民法上、相続人の固有の財産とされ、遺産分割協議の対象とはならないが、相続税法上は相続財産とみなして課税対象とされるものがあります。

・生命保険金

・退職手当金

・定期金に関する権利

・保証期間つき定期金に関する権利

・契約に基づかない定期金に関する権利・・・など

これらは「みなし相続財産」といわれ、相続税の課税対象となります。したがって、遺産分割協議において財産を評価しただけで、「相続税も非課税だ」と単純に判断できませんのでご注意ください。

 

※相続税の計算においては様々な特例条項があります。申告は、税理士等の専門家に個別の事情を相談しながら行いましょう。

相続税の非課税財産

1.墓地、仏壇、祭具など慣習や国民感情などにより非課税財産と認められるもの

2.公益機関への寄付など、公益性が認められるもの

3.特定の公益信託の信託財産など、政策的見地から相続税を課税すべきでないもの

 

これらは、相続財産であっても、相続税は課税されません。

 

※相続税の計算においては様々な特例条項があります。申告は、税理士等の専門家に個別の事情を相談しながら行いましょう。 

相続税の納税義務者

相続税を納めなければならない人には、以下の3種類があります。

 

1.居住無制限納税義務者

相続や遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずるものを含む。以下同じ。)によって財産を取得した個人で、その財産の取得時に国内に住所を有するもの

 

2.非居住無制限納税義務者

相続や遺贈により財産を取得した個人で、その財産の取得時に国内に住所を有しないもの(ただし、その個人もしくは被相続人が、相続開始前5年以内のいずれかの時点で国内に住所を有していた場合に限る)

 

3.制限納税義務者

相続や遺贈により国内にある財産を取得した個人で、その財産を取得した時点で国内に住所を有しないもの(上記2の場合を除く)

 

相続税が課税されるのは、上記1および2の義務者が相続や遺贈によって取得した財産の全部と、上記3の義務者が相続や遺贈によって取得した財産のうち国内にあるものです。

 

※相続税の計算においては様々な特例条項があります。申告は、税理士等の専門家に個別の事情を相談しながら行いましょう。

遺産分割協議においても、民法が適用されますので、参加者の意思表示に瑕疵(錯誤・心裡留保・虚偽表示・詐欺・強迫)があれば無効や取消となることがあります。また、詐害行為取消の対象にもなりますので、相続人などの参加者が合意すれば、何でもできるというわけではありません。

 

一度、協議の上で遺産分割した後、全員の合意があれば遺産分割協議の解除や、再分割ができます。ただし、例えば遺産分割協議によって生じた債務(例・父親の面倒をみることなど)を負担することになった相続人が、その債務を履行しなかったという理由だけでは、他の相続人は勝手に解除することはできません。一方、再分割については最初の遺産分割に錯誤や偽造があって無効となったときや、最初の遺産分割の後に生じた事由によって、遺産分割の前提に変更があったときは認められます。しかし、再分割の場合は、最初の遺産分割で相続税を課せられている上に、新たに贈与税が課せられることになりますので、慎重な検討が必要です。

遺産分割協議では、原則としてすべての遺産についての協議がされなければなりません。実務上は、一部の遺産のみ分割する方法もありますが、それはあくまでいずれすべての遺産を分割するという前提に立っています。

もし、遺産分割協議から一部の遺産が漏れてしまった場合、その遺産が重要で、その遺産があることを知っていたらこのような遺産分割はしなかっただろうと考えられ、かつ遺産分割協議をやり直したほうが公平とされるときは、すでに行われた遺産分割協議が無効となると考えられています。

また、分割された遺産に隠れた瑕疵があった場合などは、原則として他の共同相続人の担保責任となります。ただし、遺言に瑕疵に関する別段の意思表示があればそれに従います。